糖尿病網膜症

　糖尿病の３大合併症と呼ばれるもののうちの１つです。糖尿病では全身の血管が障害されますが、カメラでのフィルムの役目をしている網膜の血管も例に漏れず障害されてきます。そうすると網膜が腫れてきたり､出血したりして見えにくくなり､最悪の場合失明に至ります。ただ症状の出方は様々で､網膜症の進行(悪化）と平行した感じで見えにくくなる場合もあれば､失明寸前まで非常に自覚症状の軽い場合もあります。また糖尿病のコントロールは良好でも､網膜症は一人歩きしてどんどん悪くなる症例もあります。
　自覚症状や糖尿病のコントロールの良否だけで判断するととんでもないことになる恐れがあります。糖尿病と診断された方は（疑いと言われた人も）必ず眼科を受診しましょう。その後も定期検査は必ず受けましょう。内科で眼科受診を言われていない人も必ず眼科受診をして下さい。
　治療は網膜光凝固、ひどい場合は硝子体手術といったものがありますが、基本的には視機能の低下をできるだけ少ないものにする、失明だけは避けるといった感じのものです。とはいえ､早期に治療すればそれだけ良い視機能を保てますし､時機を失すれば治療の甲斐なく失明に至ります。